『横棒グラフ線』

★  麻生自民・公明連立内閣の評判は、しばしば支持率を示す横棒グラフで表されて
います。  昨年暮れからの急激な世界経済の悪化も同じように横棒グラフで示されて
いることを私たちは連日のテレビや新聞の報道でしばしば見ています。
両者とも次第に右下に向かって急下降線をたどっているようです。
そのような右下がりの横棒グラフに対して、失業率や失業者数を示す横棒グラフは、
そのことに反比例して、急激な右上り線となって示されることが多いようです。

★  このように、成績や実績を表す横棒グラフを、尋常小学校高学年のときに、私は
いやというほど見せつけられていました。  学級全体の成績の平均値と各学童の成績
を比較して見せるために、担任教師が横棒グラフを書かせていたと思います。
高学年に進むに従って成績が次第に下り坂にあった私には苦痛で屈辱的な比較グラフ
でした。  しかし、反発するだけの勇気も根拠をも持たなかった私には何もできない
でいました。  「科学的な根拠に基づいて作成された横棒グラフだから」文句を言え
なかったのでしょうか?

★  最近の麻生内閣の支持率の急激な下落を示す下り坂の横棒グラフ線を麻生首相は
どう見ているのだろうかと思います。  小学校から中学校のときに国語の勉強をまと
もによくやらなかったことを悔いているのでしょうか?  漫画の読み過ぎを悔いてい
るのでしょうか?  そのように下り坂の横棒グラフ線を見つめているのでしょうか?

★  「科学的根拠に基づく横棒グラフ」を、内閣府の「偉いセンセイ」たちも、政府
役人も、地方公務員も、会社の経営者も、学校の教師も、家計を預かる賢い主婦も、
あらゆる人々がよく使うものです。  だれもその価値や信頼性を疑わないのです。
  おそらく、優れた経営感覚と手腕を持つ職業的宗教人も同じだと思います。

★  しかし、それで人間が持つすべての能力や才能が測れるものなのでしょうか?
各自が持っている正義感、道徳観、倫理観、誠実さ、温厚さ、愛情の深さ、努力家で
あるということ、思い遣りの深さ、人となり‥というような内面的な重要な要素を、
横棒グラフが示せると言えるのでしょうか?  示せないと私は思います。

  横棒グラフは可視的面だけを捉えることができても、人が人であるという基本的な
ことを捉えることも、理解することも、評価することもできないと私は思います。
  例えば、ガラテヤ書5章22節~23節を横棒グラフ線で示すことは不可能でしょう。
なぜなら、その箇所では、次のようなことを語っているのです。
  『聖霊が、私たちに長い時間をかけて結ばせてくださる信仰の実とは、愛、喜び、
平和、寛容、慈愛、善意、忠実、柔和、自制である...』というのです。
  これらは、人が言う「科学的根拠に基づく横線グラフ」では絶対に書くことができ
ないものです。

★  聖書を読むということは、横棒グラフ線に慣れてしまっている私たちに、人間が
作った価値基準とは全く違う価値基準があるんですよ!...  もうひとつ別の、目には
見えないが、現実の世界があるんですよ...!と、問いかけているのです。
人間が造りあげた価値基準とは必ずしも絶対的なものではない!...ということです。

  私たちが「あたりまえ」として受け入れてしまって疑わない「科学的根拠に基づく
横棒グラフ」の基準を当てはめれば最悪の失格者であるはずのイェスが語る福音は、
左の頬を打たれたら、右の頬をも向けよ...という基準です。  どのような環境の内に
在っても勝ち得て余りありとする超越した生活態度だと、イェスの使徒パウロという
男は語っています。  たとえ死の谷の蔭を歩んでも災いを恐れないという姿勢です。
  聖書を中心にした生き方は、決して横棒グラフ線では表せないものなのです。

★  そのような生き方は、たまに日曜日の朝や水曜日の夜に石や木で造られた箱物に
入って行って、口先だけで「アーメン・ハレルヤ」と唱えても決して得られるもので
はないのです。  くれぐれもまちがいをなさらないようにお願いをします。

  日曜礼拝という公同の宗教儀式を、私が否定しているつもりはありませんが、たと
えば、ほとんど痛みを伴わないような、冷たい水コップいっぱいを、いと小さき弱者
に差し出すことと、その重要性すらを理解できないで、きれいな服装に身を包んで、
日曜朝に教会堂に行って、宗教儀式さえ済ませば、それで私は立派な信仰者だ!...と
誤解してはいけないという意味です。  マタイ傳10章42節や25章で主イェスが警告を
繰り返していることなのです。

  神さまを騙すことは良くないことです。  純金に見せかけたメッキというキラキラ
光った安い贋物があります。  でもね、神さまは、そうは簡単に人に騙されるような
お方ではありません!  すべてをお見通しのお方です。  ご存知です...  御要慎を!